月間商工会・連載企画 「ちいさな企業の底力を信じて」 Vol.2
【2026.05.19】
本企画はより多くの会員企業及び地域住民の方に、全国の中小企業の取組みについて知っていただくために掲載するものです。
全国商工会連合会青年部OBであり、経済産業大臣政務官・越智俊之参議院議員が直接足を運んでお話を聞いています。
海なし県で挑戦するうなぎの陸上養殖
元自動車販売会社の社長が、故郷への恩返しと食料自給率向上を目指し、未経験の分野で地域ブランドを確立しようとする挑戦の記録です。
1. 事業の概要と特徴
事業者: 平沼水産株式会社(埼玉県上里町)
事業内容: 閉鎖循環型システムによる「うなぎの陸上養殖」。天候や気象の影響を受けにくく、安定して高品質なうなぎを生産。
ブランド: 「侍うなぎ」として展開。臭みがなく、脂がさっぱりしているのが特徴。
多角化: 養殖場にレストランを併設。また、養殖と水耕栽培を組み合わせた「アクアポニックス」などの研究も視野に入れている。
2. 新規事業への挑戦と地域貢献
背景: 埼玉県は食料自給率が低く、かつて川魚を食べる文化が根付いていた。地域の活性化と特産品づくりのため、2024年に本格的な養殖を開始。
食育と観光: 施設見学や、併設レストランでの体験(エサやりや串打ち等)を通じて、子どもたちへの食育やインバウンドを含む観光振興にも寄与。
3. 経営課題と支援の必要性
新規参入の壁: 未経験の分野(水産業)への参入には、設備導入やノウハウの蓄積、稚魚(シラスウナギ)の調達など、多くの困難があった。
政治・行政への期待:
売上規模だけでなく、地域活性化のために「挑戦する人」を後押しする柔軟な支援制度。
省エネ投資や設備改善への補助金活用。
新規参入を阻害しないための政策展開。
4. 商工会・青年部ネットワークの力
つながりの重要性: 専務の高橋氏は宮城県出身。縁のない土地で事業を始められたのは、上里町商工会青年部への誘いと、そこでの仲間との出会いがあったから。
伴走支援: 青年部のネットワークが精神的な支えとなり、事業の成長にもつながっている。