Little Bee of Hachimantai ~Be ambitious~ 大志を抱け
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この街で生きるガクさん天然記念物三みら浦 WILDGRAPE FARM代表地熱発電八幡平市の自然と歴史の材料として幅広く活用されていて、最盛期の松尾鉱山では国内需要の約8割を生産していました。山には鉱山で働く人とその家族、およそ13000人が暮らすための大きな街が作られ、「雲上の楽園」とも呼ばれるようになりました。しかし、時代が高度成長期を迎えると硫黄の輸入増加や需要減少の影響を受けるようになり、松尾鉱山は昭和47年に閉山を迎えました。削技術を生かした松川の温泉開発も進められていました。その時、地下にたまった蒸気が噴出したことがきっかけで、日本初の松川地熱発電所が作られたのです。炭素の排出量が格段に少なく、風力や太陽光発電と違って天候に左右される心配もありません。近年では持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みが重視されていて、地熱発電は次世代を担うクリーンエネルギーとして世界中から注目を集めています。か、平成31年に営業運転を開始した松尾八幡平地熱発電所、さらには令和6閉山する20年ほど前には、鉱山の掘地熱発電は火力発電と比べて二酸化八幡平市には松川地熱発電所のほ年の運転開始を目指す安比地熱発電所の建設も着々と進められています。また、地熱によりできた熱水を温泉施設などに供給しており、街の観光資源を支える重要な役割も担っています。八幡平市は地域にも地球にも優しい地熱発電の先駆けとして、これからも未来のために貢献していきます。三浦さんは、以前は神奈川県の新聞社でカメラマンとして働き、ライフワークでモリアオガエルの取材をしていました。今は写真を通して、八幡平市の自然や大揚沼とモリアオガエルの価値などについて発信しています。また、無農薬の山ぶどう農園「ワイルドグレープファーム」も手掛けていて、自ら開発した「山ぶどう新芽のピクルス」は、いわて特産品コンクールで岩手県知事賞を受賞。三浦さんは八幡平市の魅力を「日本一になれる素材がたくさんある可能性に満ちた場所。ほかの土地を見れば、きっとその魅力に気づくはず」と語ります。     う #1日本の地熱発電を牽引する松川地熱発電所

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