旧公会堂

 JR八戸線種市駅から続く商店街のいっかくに古い木造の大きな建物があります。
戦火もくぐりぬけ、現在も建物は健在です。

 木造平屋建て、鉄板葺きの屋根、杉羽目板の軒下、合掌作りと 現在のコンクリート建築物から比べるとかなり異質な建物と感じます。

建物に関しては次の通りです。

 構造    : 木造平屋建て、鉄板萱葺き、軒裏羽目板、合掌作造り小屋延べ558平方メートル(169.31坪)
 ホール部分: 12間×8間 96坪
 舞台    : 8間×2.5間 25坪
 楽屋    : 8畳3室


 設計者   : 不明
 建築年   : 昭和8年 4月2日 竣工検査完了
 
 所在地   : 岩手県九戸郡種市町第23地割27番81

エピソード

 建設当時は、種市村漁業共同組合が海産物の共同販売所として立てられたらしいのですが、販売が行われていた記憶は皆持っていないようです。演芸等の公民館的な要素が強い施設であったらしいのです。

販売所を視察に来た県の担当官が、”販売所なのに、どうして舞台、楽屋があるのか?” と詰め寄られたことがあり、当時の県会議員が ”舞台に見えるのは、海産物などの商品を並べて見栄えを良くするため、 楽屋に見えるのは、在庫商品の倉庫だ” と 無理やり、県の担当官を納得させたというエピソードもあったらしい。

戦時中は、望遠鏡を備え付け24時間体制で爆撃機の監視を行っていたとのこと。

今でこそ、町立の体育館等の施設が整備されてきましたが、当時は、歌、踊り、といった演芸をみんなで見るための場所としては、”公民館”は大切なものであったことと思います。

建物がどんどん古くなっていますが、この建物を有効に残しつづけていく事を現在検討しています。

   

  

  
  舞台での歌・踊りが、詰め掛けたたくさんの人に披露され、楽しまれ、親しまれていたようです。
  現在のようにテレビが発達していなかった時代であり、こういった演芸がたくさんの人にとっての楽しみのひとつであったのかもしれません。
 写真はモノクロが多いのですが、建物自体は現在でも健在です。

 

演芸だけでなく、当時は臨時図書館としての利用もされていたことがあったようです。

  
写真、内容に関しましては

   " 『旧公会堂(旧公民館)物語』 公会堂の歴史から将来の種市が見えてくる 
商工会等地地域振興対策事業 
種市町駅前商店街整備計画
2000年3月 種市町商工会  ”

に記載されている記事を引用しています。

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