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或る日の夕暮時、金田一駅を下りに向かって出発した汽車が間もなく岩舘山の付近にさしかかった時線路沿の草原をうろついていた一匹の狐の姿を見るや否や、某機関士いきなり傍にあったこぶし大の石炭を投げつけた。命中したかは定かでなかった。
その後も度々このあたりを餌を探して歩いている狐を見受けることが多かったが、某機関士以外の機関士達は悪戯しなかったが、某機関士だけは時折好奇心も手伝ってか、度々狐にからかって石炭を投げて悪戯していた。
この狐こそが岩舘山の岩穴を住み処に「権現」「水梨」「小野部落」界隈を縄張りとしている続に名に聞こえし「岩舘いわこ」これなり。いわこには未だ年若き娘きんこあり。
此の他にも金田一には名の知られた狐達が住んでいたので紹介しておく。
村の上町外れの十文字川を境に南西に「日野沢の観音堂」と上山部落北西に「新田野」「愛宕山」を縄張りにしている通称地名「トトメキ」ここに住むトトメキとらこも名の知れた狐なり。
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