天台寺の別当の館に、一人の若い美僧侶が身をよせ修行をしていた。 この僧侶は笛の名人でもあり、相夫恋曲は格別で、空を飛ぶ鳥が羽を休め、道を走る獣も足を止め聴きいるほどだった。すぐれた気品と美貌と器量に、別当の若夫人は次第に心がひかれるようになっていった。