森にはその住人であるたくさんの生物が生息し、目には見えない夥しい数の微生物が活動しています。木の葉が落ちて堆積すると、昆虫などがそれを食べ砕き、微生物が分解する過程を経て次第に腐植土化していきます。
森に降った雨や雪は水分として樹木自身にも蓄えられるほか、厚く層状になった腐植土に染みこみ、土や岩石に含まれる<ミネラル>を溶かしこみながら、小沢や地下の水脈に辿りつきます。森が保水力を持ち、安定して川に水を供給することができるのはこの自然のしくみのおかげです。
森や地下水脈を通って沢や川に流れ出した清浄な水には豊富なミネラル分が含まれ、流程の田畑を潤しながらやがて河口から海に注ぎます。
一方、私たちの生活に係わり深い海の資源である魚介類は、栄養源として動物プランクトンを必要とし、その動物プランクトンは大量の植物プランクトンを餌として補給します。海の食物連鎖の底辺を支えているのが植物プランクトンです。
植物プランクトンの繁殖には、光合成に必要な太陽光線、二酸化炭素の他、前出のミネラルが欠かせません。つまり海の生態系を支える大切な要素としてミネラルがあるのです。そしてそのミネラルは、豊かな森をふるさととする水によってもたらされます。
都市に住まう方であれば、水の確保は水道にたよらざるをえないと思います。もし、その水源を遡るならば室根のような森林面積の多い農山村に辿り着くことでしょう。ふと水道の蛇口をひねるとき、また、美味しい魚介を口にしたとき、そんな深い森のことを思い描いてみてください。 |