かねがさきの民話 〜館山の宝〜

館山の宝

 昔むかし、柏山氏の居城だった大林城は、うしろ館山とよばれていたずも。こごから宝物を見つけで長者になった男があったどや。

 その男はある晩、夢を見たずも。夢さ仙人みでぇな白い髭のじぃさまが出てきて、こう言ったずも。「百岡の館山に、寒中、三十六の花をつけたひともとの白百合が咲いでる。その下に鶴の形をした宝物があるがら、その片方の羽だけ持ってこい」

 それでその男は、弟だちを連れて館山さ来たずも。そしてぐるっと見たれば、なるほど雪の中で三十六の花をつけた白百合が咲いてだっだど。さっそくその下を掘ったれば、ほんとにあったずも。見でるうちに、片方だげではいだましくなて、ニっつとも持ってぐごどにしたずもや。ところが重たくて運べなかったずも。そこで、ぼたんという屋号の家がら稲杭を八本借りてきて、かついで帰ってきたど。

 それがらその家は栄えたずっとも、三代目で財産無くしたずも。

 それで、ご先祖さまの言ったごどを思い出したんだど。「うしもち柱の下さ宝物埋めであっから」ということだったずも。そこで掘ってみたれば、ちゃっけ(小さい)かめが出てきたずも。その中には紙切れ一枚入ってで「かすみの下に宝あり」と書かれであったずも。そんでも「かすみの下」ってどごだがわからねぇがっだずもや。

 それで「いっつも来る坊さんに聞いてみるべ」というごどになったど。ちょうどいいどごさ坊さん来たずも。「坊さまおらとなぞたて(なぞなぞ)しますべ」と誘ったずも。「いがすか。坊さま、解がしぇよ。かすみの下ってなあんだ」と聞いたずも。

 はじめは坊さんもわからねぇがっだずども、ハッと思いついたずも。「なんだれ、そいづはなぞなぞでねぇべ。ところで、この家のどごがに桐の木あっか」と言ったずも。「あったったども、身上つぶしてしまったがら、切って売ってしまえんした」「そんでぇ、そこの根っこ、掘ってみろ。かすみというのは、人の目をくらますずごどだから、その下さ何か埋めたずごどだべ」

 すぐと、それっと掘ってみたれば、ほんとに大っきなかめさ黄金がいっぺぇ入ってだったど。そんで三代目の人も長者になったずも。

 それがらまだ三代たったれば、また身上なくしたずも。あるものみんな売ってしまって、とうとう仏壇まで売るごどになったずもや。そこで仏壇を動かすべってゆすったずも。そしたれば、上からも下からも黄金がザックザクと出てきたど。こうして六代目も長者になって、うんと栄えたどや。



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