多重債務を解決するための基礎知識
岩泉商工会
「グレーゾーン金利」は利息制限法違反です
近年、社会問題化している多重債務は、消費者金融や商工ローンの高い金利も
原因の一つです。金利が高いため、いくら返済しても元本がなかなか減らず、借
金返済のために借金を繰り返してしまうためです。その高い金利は、「グレーゾー
ン金利」と呼ばれたりもしますが、「出資法」と「利息制限法」という2つの法
律がそれぞれ定めている貸付上限金利の差です。つまり、利息制限法の上限金利
18%(100万円以上は15%、10万円以下は20%)と出資法の上限金利
(29.2%)の間の金利を指します。消費者金融や商工ローンの金利は、年3
0%に近い高利でグレーゾーン金利に設定されているところが多く、原則として
利息制限法違反です。
しかし、出資法とは違い利息制限法には罰則がなく、違反しても処罰されない
ため業者も守ってこなかったというのが実態です。利息制限法より上限金利の高
い出資法さえ守っていれば、処罰もされないし、儲かるからです。
利息制限法の上限金利を超える部分は契約上無効 → 借入元本に充当
利息制限法の上限金利を超える部分は、契約上無効です。しかし、業者は「ほ
とんどの人がこの事を知らない」という事につけこみ、借り手と業者が任意で合
意したという形で、利息制限法の上限金利を超えた利息を受け取っていたのです。
これは、貸金業規制法43条「みなし弁済」規定の解釈によるものでしたが、こ
こで重要なことは、裁判所の判断が、利息制限法以上の利息で支払った分は借金
の元本を減らすことができるとしていることです。
引き直し計算により借金が減額、過払金が戻ることも(※時効は10年)
しかし、グレーゾーン金利にある借金は、利息制限法による「金利の引き直し」
をすることによって、払いすぎた利息を元金に充当して借金を減らしたり、元本
以上に払った利息(過払金)が戻ってくることもあります。
グレーゾーン金利での借金の利用期間が、5年程度の場合には過払金が発生す
る可能性があり、10年程度の場合には過払金が発生する可能性が非常に高くな
っています。但し、最後の返済日から10年で時効です。また、過払金が発生し
ているかどうかは、取引履歴を元に利息制限法での引き直し計算をしてみないと
分かりません。
また、これはグレーゾーン金利にある借金でないと対象になりません。そのた
め、消費者金融や商工ローンを利用しているとか、高金利のクレジットカードの
キャッシングなどの利用がそれに該当します。逆に、クレジットカードでのショ
ッピングや、金利20%以下の利息制限法内で貸し付けしている銀行系消費者ロ
ーンからの借り入れに関しては、対象外となります。
詳しくは、お近くの弁護士、司法書士までお気軽にご相談ください。
※参考資料・業務別研修会経営法務コース資料(講師:司法書士 芳賀聡氏)
・法律支援サイト「弁護士ドットコム」http://www.bengo4.com/