幻の鉄道その2


  この鉄道は、東北鉄道鉱業株式会社が大富源「下閉伊炭田」の開発事業を目的に、小鳥谷を起点として、小本から茂師港及び茂市に至るという大計画であった。

 小鳥谷−門までの約136Kmの鉄道施設に着手したのは大正時代末期。大正11年5月には小鳥谷−小本間の鉄道建設が認可された。東北鉄道の起工式は大正15年11月4日小鳥谷駅前でおこなわれた。(左の写真は起工式の様子) 

 計画の第一期として、小鳥谷〜小川村(現葛巻町)間の約53Kmの工事は、建設費660万の見込みで着手され、一部にはトンネルも掘られ工事は進んでいた。

 昭和4年当時小鳥谷〜葛巻までの区間内(約24Km)の40%程が完了していたという。だが、関東大震災、世界恐慌のあおりをうけ、資金的に行き詰まり始めた。

 そこで、昭和4年3月には「増資計画書(右:表紙の写真)」が作られ新たに資金の募集がなされた。

 計画書によると、下閉伊郡小川村付近の炭田にはおよそ3,600万トンの良質な石炭があり、日産1,000トンとしても100年以上は採掘できる。一方、九戸郡、岩手郡、下閉伊郡下の広大な地域には計算も出来ないほどの名木、巨材などの森林資源が眠っている。

これらの資源を開発し、地域を一大産業地とする為には、まず物資輸送及び一般の交通手段として鉄道の貫通が必要である。と力説し、出資を求めている。


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